普段の街を歩くと、空が広く感じられる道と、電柱や電線が張り巡らされている道があります。

近年、この電柱をなくし、電気や通信のケーブルを地下に埋める「無電柱化」が全国的に進められています。
なぜ、私たちの街は今、電柱ではなく地下ケーブルの整備を進めているのでしょうか?
そして、それはどのように私たちの暮らしを良くしてくれるのでしょうか?
わかりやすく解説します♪
無電柱化で得られる3つの大きなメリット
電柱がなくなることで、地域環境がより良くなるメリットが大きく3つあります。
1. 景観が美しくなる
空を覆っていた電線がなくなり、電柱という大きな構造物が消えることで、街並みがスッキリと美しくなります。
歴史的な街並みや観光地では特に、その土地本来の魅力を際立たせることができます。


大分県の観光地の一つである湯布院では、特に湯の坪街道など、主要な観光客動線となる通りで無電柱化が進められており、由布岳を望む美しい景観を電線が遮らないようにも配慮されていると言われています。
2. 地震や台風に強い街になる(防災性の向上)
電線が地下に埋設されることで、台風の強風や地震による電柱倒壊の危険がなくなります。
停電のリスクが大幅に軽減され、災害時も安定した電力供給を維持しやすくなるため、地域の安心につながります。


災害時には、停電だけでなく電柱が折れてしまい、道路が通行できなくなるケースなどもありえますので、そういった面でも無電柱化は防災性の向上につながります。
3. 多くの人が安全に通行できる
電柱が道路上から消えることで、歩道を広く確保する事ができるようになり、車椅子の方やベビーカーもより安全に通行できる環境になります。


大分市の中心市街地である中央通りや大分駅周辺は、無電柱化が完了して広い歩道が確保できている代表的なエリアで、人の多い時間帯でも、安全に通行できる環境が整っています。
なぜ全ての地域で「無電柱化」を行わないの?
メリットの多い「無電柱化」ですが、すべての地域で進んでいるわけではありません。
無電柱化を進めるためには、様々な問題を解決しなければならないのです。
1. 費用(コスト)が非常に高い


無電柱化がなかなか進まない最大の障壁は、その莫大な費用だと言われています。
電柱を撤去し、電線や通信線を地下に埋めるには、道路を掘り返し、強固な管路(ケーブルの通り道)を設置する必要があります。
この工事は、電柱を立てる工事に比べて遥かに大掛かりで、費用が数十倍になると言われています。
2. 施工の難しさ(技術・時間)


コストに加えて、地下での工事が抱える技術的な課題も、整備を遅らせる要因です。
地下のインフラ密集
特に都市部では、すでに水道管、ガス管、下水道、既存の通信線などが地下に複雑に入り組んでいます。
無電柱化の工事では、これらの既存のライフラインを損傷させずに、新しい管路を通すための緻密な設計と高度な掘削技術が求められます。
広大な工事範囲と時間
日本全国には約3,600万本の電柱があると言われています。
無電柱化はエリア毎に整備を進める必要があり、すべての整備を完了するには膨大な時間がかかります。
道路の占有と渋滞
大掛かりな工事は、長期にわたって道路を占有することになり、交通渋滞や住民生活への影響を避けられず、工事を進める場所や時期が限られてしまいます。
3. 法的な制約と調整の複雑さ


地下には様々なインフラが埋まっているため、工事を進めるには、電力、通信、ガス、水道、下水道など、関係する複数の事業者や行政機関との複雑な調整と合意が必要です。
また、電柱が私有地内に立っている場合、撤去や工事について地権者との合意が必要になりますが、これが難航するケースもあります。
これらの理由から、無電柱化は防災や景観改善の優先度が高い主要な幹線道路や歴史的な観光地から重点的に進められています。
安全で美しい未来の街のために
無電柱化は、街の景観を美しくするだけでなく、災害に強く、誰もが安心して暮らせる未来の基盤を作る大切な工事です。
私たち萬電工業は、これからも地下ケーブル敷設工事の専門技術を活かし、安全と安心という「見えない価値」を地域の皆さまにお届けすることで、貢献してまいります。


