【第二部】通信インフラの歴史的転換点~「メタルケーブル」「光ファイバーケーブル」その違いとは?~

【第二部】通信インフラの歴史的転換点「メタルケーブル」「光ファイバーケーブル」その違いとは?

萬電工業有限会社のブログ記事をご覧いただき、ありがとうございます。

私たちの生活に欠かせない「通信インフラ」の未来について第2部です。

第一部では「なぜ、国を挙げて通信インフラをメタルケーブルから、光ファイバーケーブルへ変えようとしているのか?」という、歴史的な背景をお話ししました。

今回は「メタルケーブル」と「光ファイバーケーブル」の違いや特徴などを、わかりやすく解説していきたいと思います。

目次

メタルケーブルの特徴

メタルケーブルは、その名の通り「銅(メタル)」を導体として使用し、電気信号によって音声やデータを送受信するケーブルで、以下のような特徴があります。

1. 電気を送ることができる(局給電能力)

メタルケーブルの最大の長所とも言えるのが、通信と同時に「電気」を送れることです。

電話局からケーブルを通じて微弱な電力が供給されているため、自宅やビルが停電しても、電話機自体(昔ながらの黒電話や、電源不要のアナログ電話機など)はそのまま通話が可能です。

これは、非常時の連絡手段として長年重宝されてきた大きな理由です。

昔の電話のイメージ

2. 水や湿気に弱く、腐食(サビ)が発生する

電気を通すという特性上、最大の弱点となるのが「水」です。

ケーブルの被覆が破れたり、接続部分(ジョイント)にわずかでも水が浸入したりすると、漏電やショートを起こし、通信が遮断されてしまいます。

また、長期間湿気にさらされると銅が酸化・腐食(サビ)を起こし、通信品質が著しく低下します。

地下ケーブル敷設工事においては、この防水・防湿対策が非常に重要になります。

洪水のイメージ

3. 距離が長くなるほど信号が弱まる(減衰・ノイズ)

メタルケーブル内を流れる電気信号は、距離が長くなればなるほど電気抵抗によって弱まっていく(減衰する)という物理的な特性があります。

また、外部からの電磁波(近くを通る送電線や雷など)の影響を受けやすく、通信に「ノイズ(雑音)」が混じりやすいという特徴も持っています。

そのため、長距離の高速データ通信には不向きです。

長いケーブルのイメージ

4. 物理的に「重く」「硬い」

銅は比重の大きい(重い)金属です。

数十組、数百組の銅線を束ねた多芯ケーブルは非常に重く、ズッシリとしています。

また、太いメタルケーブルは曲げに対する反発力も強く(硬く)、敷設工事の際には大きな牽引力が必要になります。

この重さと硬さがあるため、地震などで地盤が大きく動いた際にケーブルが追従しきれず、内部で断線してしまうリスクを抱えています。


「停電時に単独で動く」という素晴らしい長所を持つ一方で、重量や水への脆弱性といった物理的な限界があることが、インフラとしての特徴になります。

断線のイメージ

光ファイバーケーブルの特徴

光ファイバーケーブルは、髪の毛ほどの細さの純度の高い「ガラス」や「プラスチック」を導体(コア)とし、電気信号を光の点滅(レーザー光)に変換して送受信するケーブルです。

1. 超高速・大容量・長距離の通信が可能

光ファイバー最大の長所は、圧倒的な通信能力です。

光は電気信号に比べて伝送ロス(減衰)が非常に少なく、一度に運べる情報量(帯域幅)が桁違いに大きいです。

数十キロメートルという長距離でも、途中で信号を増幅させることなく、クリアで超高速なデータ通信を安定して届けることができます。

通信のイメージ

2. 電磁波(ノイズ)の影響を全く受けない

メタルケーブルは周囲の電磁波の影響を受けて通信にノイズ(雑音)が混じることがありますが、光ファイバーの中を通るのは「光」であるため、外部の電磁波の影響を一切受けません。

すぐそばを高圧送電線が走っていても、雷が落ちても、通信品質が乱れることなく安定した通信を維持できるという、インフラとして非常に優れた特徴を持っています。

落雷のイメージ

3. 物理的に「細い」「軽い」

ガラスやプラスチックの繊維でできているため、同じ情報量を送るメタルケーブルと比較して圧倒的に細くて軽量です。

すでに他のインフラ(水道管やガス管など)が密集している地下の狭い管路にも通しやすいです。

しかし、ガラス繊維であるため「鋭角に折り曲げる」と折れたり光が漏れたりするデリケートな一面もあり、施工には専門的な技術が必要となります。

4. 電気を通さない(ショートしない反面、機器への給電は不可)

光ファイバーのイメージ

光ファイバーは電気を通さない絶縁体です。

そのため、地下の管路内で万が一浸水しても、漏電やショートを起こして一帯の通信がダウンするような事態にはなりません。

この点は、水害時の安全性において非常に優れた特徴と言えます。

しかし電気を通さないので「電話局からケーブルを通じて電気を送れない」という特徴もあります。

停電が発生した場合は、通信機器(非常電話など)に電気を送る装置(バッテリーなど)がないと、通信や電話が使えなくなってしまう点には注意が必要です。

実際のケーブルを比較してみましょう

それでは、萬電工業にある実物のメタルケーブルと光ファイバーケーブルを比較してみようと思います。

メタルケーブル(銅線)

メタルケーブル

メタルケーブルは、何本もの銅線が束になっているケーブルの為、非常に重くずっしりとしています。

光ファイバーケーブル

光ファイバーケーブル

光ファイバーケーブルは、メタルケーブルと比較すると非常に細くて軽いケーブルです。

メタルと光ファイバーを並べて比較してみます

ケーブルの比較
ケーブルの比較

写真でもわかるように、ケーブルの太さが大きく違います。

それに加えて、材質の違い「重い銅線」と「軽いガラス&プラスチック」という特徴から、見た目以上に重さに差があります。

それぞれの特徴をいかした施工でインフラを支える

ガッツポーズのイメージ

私たち萬電工業は、長年活躍してきたメタルケーブルの特性と次世代を担う光ファイバーの強み、その両方を熟知しています。

既存の設備を活かすべき場所と、最新の光網で災害に強いネットワークを築くべき場所。

それぞれの特徴を見極めた確かな地下ケーブル施工技術で、これからも大分の通信インフラを足元から支え続けます。

(第三部へ続く)

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